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平成15年相続税法改正

平成15年3月末に税法が改正されました。 相続税については、平成15年1月1日にさかのぼって新税法が適用されることになります。

相続時精算課税制度 / 住宅取得資金等に係る相続時精算課税制度の特例
2割加算対象者の改正 / 税率改正

●相続時精算課税制度

【従来の相続税・贈与税制度】

従来の相続税・贈与税の制度では、親が子に生前に財産を贈与した場合には、 相続で財産が移転していれば課されるはずであった相続税の代わりとして、 高い税率の贈与税が課されます。

この場合の贈与税は相続税の代わりとして課すものなので、 贈与税を納付すれば、その財産の親から子への移転についてはこれで課税が完結し、 その後相続が起きた時には、その財産は相続税の計算には影響しません。 (ただし、相続開始前3年以内の贈与については相続税の計算に含められることになります。)

例.親の財産:2億円
生前に5,000万円を子に贈与、1億5,000万円を相続した場合
贈与時
5,000万円に対する贈与税、2,220万円
※平成15年改正後の税率による。
贈与税、2,220万円納付
↑それぞれ独立して課税↓
相続時
1億5,000万円に対する相続税、2,000万円
※相続人は子1人のみとし、平成15年改正後の税率による。
相続税:2,000万円納付

【相続時精算課税制度】

相続時精算課税制度とは、贈与をした時にはいったんその贈与財産に対して 贈与税を支払い、その後その親の相続が起きた時に、その生前贈与した財産と 相続財産を合計して計算した相続税額から贈与時に支払った贈与税額を控除 (贈与税額が相続税額を超えた場合には還付になります。)することで 生前贈与財産と相続財産に対する課税を相続時に精算するという仕組みです。

相続時精算課税制度の贈与税は、従来の贈与税とは異なり、 相続税の仮払い・前払い(所得税の予定納税みたいなもの) といった意味合いのもので、相続が起きた時に相続税の計算ですべて精算されます。

この制度による贈与税は、従来の贈与税に比べて大幅に軽減された税額となります。

例.親の財産:2億円
生前に5,000万円を子に贈与、1億5,000万円を相続した場合(従来の制度の例と同条件)
贈与時
5,000万円に対する贈与税、500万円
贈与税、500万円納付
↓この贈与税は相続時に精算
相続時
相続財産1億5,000万円+生前贈与財産5,000万円=2億円
2億円に対する相続税3,900万円
−贈与時に支払った贈与税500万円=3,400万円
※相続人は子1人のみとし、平成15年改正後の税率による。
相続税:3,400万円納付
※上記の例では相続税と贈与税の合計が、従来の制度よりも相続時精算課税制度の方が 安くなっていますが、これはこの例に限ったことであり、 決して相続時精算課税制度の方が従来の制度よりも税額が安いという わけではありません。

【適用要件】

相続時精算課税制度の適用を受けるためには、次の条件を満たしている必要があります。

贈与をする側

贈与を受ける側

※この条件に当てはまらない場合には、従来の課税制度を適用することになります。

贈与する財産の種類、金額、贈与の回数には制限はありません。

【選択適用】

上記の適用要件に当てはまる場合には、相続時精算課税制度の適用を受けることができますが、 その適用を受けずに、従来の贈与税の課税制度を選択することもできます。 また、父からの贈与については相続時精算課税とし、母からの贈与については従来の 課税制度にするということもできます。 ただし、従来の制度から相続時精算課税制度に変更することはできますが、 相続時精算課税制度を選択した後に従来の制度に戻すことはできません。

【贈与税額の計算】

相続時精算課税制度の適用を受ける贈与財産の贈与税額は、他の贈与財産とは区分して、 複数年にわたり利用できる2,500万円の非課税枠を控除し、それを超える部分に 一律20%の税率を乗じて計算します。

※2,500万円の非課税枠は、あくまでも贈与税の計算での非課税枠であり、 相続が起きた時に相続税の計算では、この2,500万円は控除されません。
例.平成15年、1,000万円贈与
平成16年、1,000万円贈与
平成17年、1,000万円贈与
平成18年、1,000万円贈与
平成15年
残り非課税枠、2,500万円
1,000万円<2,500万円となるので、1,000万円全額控除
税額、0円
残り非課税枠、1,500万円
平成16年
1,000万円<1,500万円となるので、1,000万円全額控除
税額、0円
残り非課税枠、500万円
平成17年
(1,000万円−500万円)×20%=100万円
税額、100万円
残り非課税枠、0円
平成18年
(1,000万円−0円)×20%=200万円
税額、200万円
※ここでは1,500万円の部分にしか課税されていませんが、相続時に相続財産と合計される 贈与財産の価額は4,000万円全額になります。

●住宅取得資金等に係る相続時精算課税制度の特例

平成15年から平成17年までの間に、 自己の居住用の一定の家屋を取得するための資金、または、 自己の居住用の家屋の一定の増改築のための資金の贈与を受けた 場合には、65歳未満の親からの贈与についても相続時精算課税制度を適用でき、 また、その2,500万円の非課税枠に1,000万円を上乗せし、3,500万円まで控除を受けられます。

資金の贈与に対する控除であり、家屋そのものの贈与には適用されません。
※この控除額3,500万円についても、贈与税の計算上の控除額であり、相続税の計算では 控除されません。

●相続税の2割加算対象者の改正

新たに、被相続人の養子となった被相続人の孫(代襲相続人を除く)相続税の2割加算の対象となりました。

被相続人の孫
被相続人の養子である 被相続人の
養子でない
被相続人の
代襲相続人である
被相続人の
代襲相続人でない
2割加算なし2割加算

●相続税・贈与税の税率改正

【相続税】

旧法
取得価額 税率 控除額
800万円以下10%
1,600万円以下15%40万円
3,000万円以下20%120万円
5,000万円以下25%270万円
1億円以下30%520万円
2億円以下40%1,520万円
4億円以下50%3,520万円
20億円以下60%7,520万円
20億円超70%27,520万円
改正法
取得価格 税率 控除額
1,000万円以下10%
3,000万円以下15%50万円
5,000万円以下20%200万円

1億円以下30%700万円
3億円以下40%1,700万円
3億円超50%4,700万円


【贈与税】

旧法
課税価格 税率 控除額
150万円以下10%
200万円以下15%7.5万円
250万円以下20%17.5万円
350万円以下25%30万円
450万円以下30%47.5万円
600万円以下35%70万円
800万円以下40%100万円
1,000万円以下45%140万円
1,500万円以下50%190万円
2,500万円以下55%265万円
4,000万円以下60%390万円
1億円以下65%590万円
1億円超70%1,090万円
改正法
課税価格 税率 控除額
200万円以下10%
300万円以下15%10万円
400万円以下20%25万円

600万円以下30%65万円

1,000万円以下40%125万円

1,000万円超50%225万円





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